こんにちは、もつにこみです。
(早速飽き気味になって放置してました)
我が愛車、ジェイドについて語る記事の後編となります。
特に導入らしい導入はありませんが、
今回もお付き合いよろしくお願いします。
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ジェイドハイブリッドという車について
とんでもない失敗作*1です。
前回、持ち上げて終わっておいて何言ってんだって感じですが、
最初に言っておいた方がいいと思ったので。
実際、売れ行きやこの車が一代で終わったこと、そして私が"手ごろな価格"で手に入れたことからも、ビジネスとして失敗に終わったと評して間違いはないでしょう。
ただし、私はこの失敗作を趣味で持つ工業製品としてはとても気に入っています。
一体どこがダメなのか、でもどこを私が気に入っているのか、ジェイドの特徴となるポイントを挙げていきましょう。
- 背の低いスタイリング
- パワーユニット
- 室内空間と3列目
- ホンダらしい走り
- 初期型ホンダセンシング
それぞれ、触れていきます。
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スタイリング
カッコいい。
室内空間や3列目については別項で話すとして、低い故にアイポイントがいままで乗ってきた車と変わらないどころか、むしろ低い?と感じるまであり、運転していて非常に安心感があります。
ただ、世間的にはハイトールでアイポイントの高いクルマが圧倒的に流行っており、完全に逆行する形。
事実、イマドキのクルマと比べれば窮屈感は否めず、アイポイントが低いこともあって鼻先は見づらいです。
ストリームとオデッセイを統合する形で産まれた(設定の)ジェイドですが、2015年時点では押し切るにももう無理がある状況であったのではないかと思います。
ちなみに、背低ミニバンの"全高"比較をしてると…(全てWiki参照)
初代ストリーム:1,590mm
2代目ストリーム:1,545mm
初代ウィッシュ:1,590 mm(※2代目も同様)
プリウスα:1,575 mm
3代目オデッセイ:1,550 mm
エクシーガ:1,660mm
ジェイド:1,530mm
パッと上げる限りではジェイドが一番低い。
もう少し時代の流れに甘えても良かったんじゃないかな…まあでもホンダだしな…
i-DCDはこの世に出してはいけない。
ちなみに前期の途中から1.5ターボの"RS"が追加されているのですが、今回は私が所有してみて…の記事になりますので、ハイブリッドグレードについて触れていきます。
i-DCD…Intelligent Dual Clutch Drive…
内製に拘りがちなあのホンダが、あの「シェフラー」日本法人と手を組み開発された、極めて先進的なモーター内蔵型のトランスミッションの名称です。
細かな機構の説明はここでは省く(調べてね)として、DCTの特徴を上手く生かした1モーター型のハイブリッドシステムで、初めて仕組みを聞いたときは「頭いいな~」と思いました。
※トヨタのTHSや、ホンダの次世代HVであるe:HEVは発電用と駆動用のモータを別々に持つ2モーター型ハイブリッドシステムです
2013年に販売開始されたFIT3のハイブリッドモデルから搭載され、私も興味があったので発表直後に青山本社に見に行ったのを覚えています。
そしていよいよ発売、市場に放たれると…
リコール、リコール、リコール、リコール、リコール…
それでもプログラム改修などを経て、グレイス、ヴェゼル、ジェイド、シャトル、フリードにも搭載され、一応不具合も減り、それなりの数が世に出回りました。
そして、次世代システムi-MMD改めてe:HEVへの移行が進み、そろそろみんなもi-DCDのこと忘れてるだろと思われつつあった2022年、これらのツイートでまたしても注目を浴びてしまいました…
最初、いろは坂で駐停車すんなよーって文句ブツブツ垂れてたんだけど、みんなホンダじゃね?ヴェゼル多くね?ってことに気づいた
— くりはら@チャリ旅ブログ (@nikomiiii__) October 30, 2022
しかもここ圏外だし、どうやってロードサービス呼ぶんだろう pic.twitter.com/pElV0dbxTW
日光 いろは坂 3時間の渋滞で本田技研のデュアルクラッチドライブのハイブリッドシステムが4台もトランスミッションの熱で停止は問題あるような...#Honda@HondaJP pic.twitter.com/lJY06ATQdM
— 森 裕紀 (@hm102) October 30, 2022
よりによってホンダお膝元の栃木県でこのザマ。ネットニュースなどでも取り上げられ、多くの人の目に欠陥システムを晒されることとなりました。
当然、ホンダも黙ってはいないわけですが…
「仕様だから気を付けて運転しろ」※要約
うーんそんな姿勢でクルマ作ってたら売れないですよね…
とまあ、世の中的には概ね最悪な評価ですが、ベースはスポーツカーなどで採用の多いDCTということで、一部のクルマ好きからはハイブリッドとしてはドライブフィーリングの面で評判が良く、前編でも話した通り"今しか乗れないハイブリッド"を体感してみたいと思い、購入しました。試乗とかしてないんだよね…
で、実際に遠出などで運転してみたところ…
想像以上にヒドイ。
具体的なシーンをあげると
・やんわり発進時の1⇔2速の繋ぎでギクシャク
・減速で一瞬EVモードに入ってからの再加速でやっぱりギクシャク
・キックダウンの反応が余りにも遅い(特にEVモードからの立ち上がり)
・EV⇔HEVモード切り替わり時のトルク変化が余りにも大きい
・同一アクセル開度でもEVモードとHEVモードでトルクが変わる
・回生ブレーキ⇒油圧ブレーキでペダルフィーリング変わりすぎ
・電欠時(エンジン始動)リバースギアに入るのが遅すぎる
といった具合で、キリがないです。
特定シーンで稀に発生する、ぐらいなら分かるんですが、こうも日常的に"不快な"挙動をされてしまうと、よくもまあこんな出来損ないを市場に出してくれたなと…と同時に、いままで当たり前のように乗っていたトヨタのハイブリッドがいかにうまくできているか、思い知らされました。
特に夏場は、エアコンでEV⇔HEVの行き来が大きく、かなり不快係数が高まります。
ちなみに、前編で「結果的にパドルは要らなかった」と話しましたが、試乗記を見ているとDCTにも関わらずパドルのレスポンスがあまり良くないようです。
恐らくは、これもリコールを経た"安全マージン"を持った制御だと思われますが、それならまあついてなくてもいいかな…ってところです。
また、これはエンジン主体というシステム思想故ですが、ハイブリッドながらショートトリップに弱いです。
ある程度流れる道に出て、定常走行をEVモードで走ることで燃費が伸びます。
自分はレジャー使用がメインですのであまり問題になりませんが、短い距離の買い物や通勤がメインの方には、せっかく高いグレードのハイブリッドを買ったのに…と思われているのではないでしょうか…
ただ、そこをなんとか抑え込んだり、ラフドライブでは伸びない燃費をいかにして伸ばすかを考えながら運転するのは、それはそれで楽しいですし、やはり段付きのエンジンフィーリングは、いままでMTを多く運転してきた身としても気持ち良さがあります。
加えて、7速DCTということで高速巡航時の燃費もそれなりで、新東名でクルコン115km/h設定(上限)で東京⇔名古屋往復で20km/Lくらいは出ます。
e:HEVの場合、エンジン直結が1段だけということで、高速巡航時の回転数は7速DCTのそれと比べてやや高めになるそうです。
下記記事曰く、FIT4HVの100km/h走行燃費がなんと17.7km/L、120km/hに至っては…
結局後発システムも別問題を抱えてるのも…まあでもホンダだしな…
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室内空間と3列目
狭い。
室内高がない故、それほどのスペースがないことは認識にしていますが、
それにしても「あの見た目にしてこれだけ?」感が強い。
あのフィットを生み出したホンダとは思えぬほどにスペース効率が悪い気がします。
最悪なのは3列目。足を伸ばせるようなスペースがないどころか、"後部座席狭い車あるある"な前シートの隙間に足を突っ込むことさえ出来ない。
2列目の人が後ろに詰めようものならTHE ENDです。
更には両脇をダブルウィッシュボーンにスペースを取られてしまい、
シート幅があまりにも狭すぎる!
しかも、全高の低さをカバーするためにシートも低めに作るものの、床下を下げるには限度があるため…
極めつけは、本田技研工業の開発ご担当者様の優しさから生まれた「天窓」。
どういうことかはこちらの記事を読んでいただくとして…
熱い。暑いんじゃなくて熱い。
一応プライバシーガラスにはなってますが、天からの直射日光が降り注ぐわけですから…
人が座らずとも、常に余計な熱を取り込むことになるわけで、
個人的にはジェイド一番のふざけんなポイントです。
いまはやむを得ず、ダサいのは承知でサンシェードを挟み込んで塞いでいます。
まあでもホンダだしな…
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ホンダらしい走り
フロントストラットはもちろんのこと、リアはRBオデッセイから基本設計を受け継ぐダブルウィッシュボーンとなっております。
加えて背の低い低重心ボディということで、ワインディングを流す感覚はなかなか優秀。
JADE type R pic.twitter.com/GfAEfkK2QX
— たなそにっく (@tnsonic) November 19, 2023
何度かサーキットも走行しましたが、純正の足回りのまま不安げなく攻めることが出来ました。
(結局i-DCDが高温エラーで停止しちゃったんだけどね…)
ただ、走りとしては優秀であるものの、固めの足回りはミニバンとしては少々気になります。それこそ3列目なんかはそれなりの突き上げ感もありました。
一般ユーザーは街乗りで試乗してみて…となることを考えると、やはりここも気になるポイントになるのかなあ。
まあでもホンダだしね…
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初期型ホンダセンシング
ホンダセンシングが初採用されたのは2015年改良のRCオデッセイから、
というわけで2015年に発売されたジェイドに搭載されるホンダセンシングもそれを踏襲する"初期型"となります。
アクティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、車線逸脱警告あたりが主な機能と言ってよいでしょう。
実際、高速道路を走るときなんかは便利なんですが、まあ初期型らしくかなり"おバカ"でして…
レーンキープアシスト中の車線認識が切れやすいのは仕方ないとして、
・車線をはみ出していないのに警告が出る
・普通に走ってくる対向車を衝突してくる車と誤認する
・普通に走っているだけなのにカーブで衝突しそうと誤認する
・ACC使用中に隣の車線にいる車を前方方向車と誤認して急減速
などの症状が、稀にではなく多発。
1件目はステアリングに、
2件目3件目はアクセルペダルとブレーキペダルへの介入も入るため、
こちらの意図したドライビングが出来ず、不愉快極まりないです。
こう、テストとかちゃんとしてないのかな…まあでもホンダだしな…
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本田技研工業らしさが詰まった大変いいクルマ
とまあこんな感じで、スタイリング以外悪口ばっかりでしたが、改めてこのクルマが好きだなあと思いました。
i-DCDなんかは未完成といえどエンジン主体で高効率のシステムを実現したいというエンジン屋の意地を感じます。
また、やはりこの先これほど背の低いワゴンが出てくるというのも望みが薄いと思いますので、駐車場に止めて振り返って見るだけでも「買ってよかったな」という気持ちになります。
本田技研工業らしい、商品ではない工業製品臭さが溢れてていいなと思います。
ただ、これを家族で普段使いする車として買うか、人におススメできるかは…また別問題ですね。
真反対のようなトヨタの車づくりを見ると、日本のみならず世界中でトヨタ車がシェアを誇るのも頷けます。
まあ私にその時が来るかは分かりませんが…(笑)
そんなところで、今回のネタは終わりとさせていただきます。
次はなに書こっかな~
*1:※個人の感想